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インターネットで公開を求める請願の審査 2017.12.15

傍聴記

  1. 請願人代表(松本誠)の請願理由陳述 8分
  2. 事務局からの経過説明 3分
    • 昨年8月から収支報告書は付属書類とともに、情報公開手続きを取らずとも閲覧できるように、閲覧方式による“自主公開”をしている。
    • 会派ごとの収支報告書はすでに公開されている。それ以上の公開については、会派の意見は「ネット公開の必要はない」「ネット公開については準備も必要であり、慎重に検討するべきだ」「将来は必要かもしれないが今は必要ない」などの意見があり、現時点ではネット公開は行わないと決定している。
  3. (14:15~)(穐原委員長が「それでは、すでに各会派でも議論していただいているかと思うので、会派の意見をお願いします」といきなり、質疑なしに会派の意見を求めた)
    • 中西議員(未来市民)
      • 会派の意見としては、市議会はきちんとやっているということを市民に示すためにも、ネット公開すべきである。コストも手間もそんなにかかるものではないので、一日も早くネット公開すべきだ。
    • 寺井議員(真誠会)
      • 会派としては、すでにだれでも閲覧できるように公開している。ネット公開はセキュリティの問題もあり。時期尚早である。
    • 宮坂議員(民主連合)
      • 昨年8月から閲覧方式で公開している。議論の過程としては、私も会計責任者として閲覧方式を提案してきた。選択肢としてはネット公開の方法もあったが、先ずは閲覧による自主公開をして、将来的な展望としてネット公開が俎上にのぼることも考えた。
      • 実際の閲覧者数はそんなに多くはない。現行方式ではハードルが高いから限界があるという指摘もあるが、閲覧者が労力やコストがかかることを考慮してネット公開しなければならない“緊急性”があるかどうか。緊急性があるかどうかと考えると、もう少し状況を見守る必要がある。心苦しいが、会派としては請願に賛成できない。
    • 国出議員(公明党)
      • 会派でも議論したが、昨年から閲覧で自主公開していることもあり、何年かはこれでやって、検証したうえで検討すればいいことなので、請願には反対だ。
    • 北川議員(未来市民)
      • 早くネット公開すべきだが、請願者に幾つか質問したい。
      • (問1)ネットで公開すればより便利になるということだが、請願者は閲覧に膨大な時間がかかると言うが、どれぐらいの時間がかかったのか?
    • 松本請願人
      • 3日間、各3~4名で閲覧したが、まだすべての閲覧ができていない。2カ年分、各年度の会派と個別議員の報告書を閲覧した上で、気がついた問題点等をまとめ、「政務活動費の手引書」に基づいて議長に説明等を求めたいと考えています。すべての閲覧を終えていない時点でも、すでに市民として首をかしげるような使途が幾つも見つかっており、透明性を高めるネット公開に否定的な会派や議員さんの意見との関連も追求したいと思っています。年明けからも閲覧を続けて、できるだけ早い段階で、意見を申し上げる予定です。
    • 北川議員(未来市民)
      • (問2)兵庫県内でも県議会や神戸市議会などがネット公開しているということだが、実際に見たのか? また見た結果はどうだったのか?
    • 松本請願人
      • まだ一部を散見した程度だが、明石市議会で閲覧公開されている収支報告書と会計帳簿および領収書等の付属資料をすべてPDF化して、ホームページにアップしている。昼間に議会へ足を運び、いろんな制約がある中で閲覧するのに比べて、自宅等で、いつでも、どこでも、時間のあるときに開いて見ることができるので、閲覧する側にとっては極めてメリットが大きい。それだけに、見られる側の議員さんにとってはプレッシャーが大きいだろうと思う。そのプレッシャーによって、適正な支出をしなければならないという作用が働くから、政務活動費の適正な運用に極めて効果的であるという指摘がされている理由だと思う。
      • 先鞭をつけた高知県議会では、ネット公開した初年度に、使われないまま返還された政務活動費が前年度の2.7倍に増え、17%が返還されたというデータが公表されている。大事な観点だと思う。
    • 北川議員(未来市民)
      • ネット公開の有効性が明らかになっているということですね。私たちの会派が行った市民アンケートでも市民の政務活動費への関心は高く、8割を超えている。神戸市では印刷枚数を事務局がいちいちチェックすることまで踏み込んでおり、より一層透明性を高める必要があることはよく理解できる。
      • (問3)請願者は、ネット公開すればどれぐらい市民の閲覧率が高まると見ているか?
    • 松本請願人
      • 現行の閲覧方式では、先ほどもどなたかが言われたように、閲覧者は極めて少ないはずだ。閲覧室で書類を広げてみても、見ているだけではよくわからない。個別の支出内容を一つひとつ転記し、一覧表にし直すと、いろんな問題点が浮かんでくる。そんな作業を閲覧室に通ってしていると、気が遠くなるほどの時間がかかる。ネットで公開されると、時間のあるときに、細切れ的にでもチェックし転記作業ができるわけで、閲覧回数は飛躍的に増えるとともに、時間と関心のある人は気軽にのぞいてみることができるから、閲覧する人の飛躍的に増える。
      • 閲覧者が多いということが、これまた議員さんにとってはプレッシャーになるわけだから、不適正な支出を抑制する効果が大きくなることになる。
      • こんなメリットだらけのネット公開に、議会と議員さんがなぜ消極的になったり、反対されるのかが分からない。
    • 梅田議員(副委員長、公明党)
      • 政務活動費は当初は調査研究費を呼び、政務調査費に変わり、2012年の地方自治法改正で政務活動費に変わった。
      • 20年ほど前から公開へ向かっての議論があり、今日に至っている。兵庫県や神戸市では事件が起きてからネット公開になった。全国で810市ほどあるが、50議会程度がネット公開に踏み切っている。明石市は昨年8月から閲覧方式による自主公開に踏み切っている。
      • 今年6月に会派でも検討したが、会派の経理担当者の会議では、今のところは不正な支出も出ていないので、自主公開を続けて、1年程度やってみてから状況をみて次の判断をしてはどうかということになっている。
  4. 裁決(発言が一巡したところで、穐原委員長が裁決に入ることを宣言)
    • まず請願採択に賛成する人の起立を求め、中西、北川議員の2名が起立。委員長は「起立少数。よって請願は不採択に決定すると宣言して、審議を終了した。(14:37終了)
  5. 傍聴の感想
    • この日の審議も「質疑応答―討論―裁決」の議事の流れを踏襲せずに、委員長はいきなり「会派の意見表明」を求めて、各委員は会派の結論を述べた。北川委員が延べ3つの質問を請願人にしてくれたのが救いだが、この議会には議案についての質疑や議員間の討論ということがない状況が続いている。
    • また、請願人はネット公開の意義や必要性を具体的に述べているにもかかわらず、「閲覧方式に踏みきったばかりだから」というだけで、ネット方式に反対する具体的な理由は何も示さなかった。市民の問いかけに不誠実そのものの対応だった。透明性を高めるネット公開に反対した会派や議員は、具体的な使途など現行の運用に問題点が明らかになった場合に、透明性を高めることに反対した責任を、どう申し開きするのだろうか?

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