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「新しい時代への胎動」その1 2024/11/12 new!
様変わりする2024年衆院選後の政治風景
2024年総選挙は自民・公明両党の議席が衆院の半数を大きく割り込み、無所属当選者を組み入れても半数には遠い「完全な敗北」に終わった。自公政権が過半数を割ったのは、2009年の民主党政権交代から15年ぶりのことだ。だが、今回は単純な政権交代には至らず、政権の枠組みの行方が見えない、この国の政治が初めて体験する「未知の領域」に踏み込んだ。
政治の混乱を指摘する人もいるが、この国の政治が新しく生まれ変わる“胎動”が始まったと受け止めると、希望を見いだせるかもしれない。バブル崩壊とともに訪れた1990年代初めの政治の流動化が30年余にわたって続いたが、本格的に次の時代へ移る転換期に入った選挙として、画期的な選挙になった。
こんな書き出しで2024年10月衆院選の分析と、これからの政治とこの国の行く末を連載していこうと試みたのは、衆院選開票結果が出た翌日の深夜だった。まずは、わが足元の「兵庫9区」に生じた異変から書き出したのだが、途中で止まったままその他の錯綜する地元の政策課題に手を取られて、そのままになっていた。
それから早くも2週間経ち、11日には衆院での決選投票の末、第2次石破政権が発足した。少数与党になった自公政権は、衆院の予算委員長はじめ重要委員会を含む半数近い委員長ポストを立憲など野党が占め、国会の風景は様変わりすることになった。
今回の選挙は裏金問題で窮地に立った自民党には厳しい結果が出ることは選挙前から予想はされていたが、野党がばらばらのままで選挙区での劇的な変化を望みにくいことから、石破首相が低めの勝敗ラインとした「自公で過半数」はクリアし、自民単独での過半数割れが焦点とみられていた。私もそのように予測し「政権交代」など先の先だと見ていた。というよりも、野党が結束して与党に対抗する体制がないのに「政権交代」を振りかざすより、与野党拮抗した緊張感ある政治の招来が重要だと見ていた。
ただ、自公過半数の壁を突破しないと、10年続いた「一強」体制を崩すのは難しい。しかし、結果は12日間の選挙期間中に刻々と変化し、蓋を開けたらこれまでにない政治の風景が始まっていた。この新しい状況について冒頭に書いたように「政治の混乱が始まると指摘する人もいるが、この国の政治がようやくにして新しく生まれ変わる“胎動”が始まった」と受け止めた。バブル崩壊以降35年間にわたって続いた政治の流動化が本格的に新しい時代に入る転換期に入ったという期待だった。
この「まことジャーナル」を書き継ごうと思ったのは、今朝12日の朝日新聞朝刊に掲載された政治学者、御厨貴さん(みくりや・たかし)のインタビュー記事〔リンク 全文は制限あり〕を読んで、はたと膝を打ったからだ。今や日本現代政治史の顕学である同氏は、この中で「1955年の保守合同で自民党が結党した時以来の、大きな変化の時を迎えている。日本の政治が創造的に変わるチャンスが訪れた」と、この選挙結果の持つ歴史的な意味を語っている。さらに「これから始まるのは誰も経験したことのない、新しい政治の手法、秩序、体制の創造過程だと見つめるべきだ」という。いまメディアで横行している「石破政権は短命に終わる」とか「国民民主党は与野党のはざまで埋没する」とかいう冷笑的な見方を戒め、「新しい政治秩序づくりに向けた号砲が鳴り、すべての政治家にとって“よーい、ドン”という状態になった」と同時に、市民にとっても「政治が国民にとって近い存在になるのか、遠い存在になってしまうのかが問われる瞬間を迎えている」と喝破しています。
これから展開される政治の動きを、こうした戦後80年の時間軸でとらえると異なる風景が見えてくる。17日に投開票を迎える兵庫県知事選も、戦後初めて迎える「画期的な知事選」の視点で見ると、選挙戦をめぐる猥雑な争いを乗り越えられるのではないか。これについては、また取り上げたい。
(つづく)
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- 分署予定地の旧中崎公園内にあった市民会館前の信号機付き横断歩道につながる「南北通路」が、分署建設に伴い2ルートとも廃止されることでいいのか!
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明石市の新庁舎建設工事入札が 26 億超オーバーし立ち往生
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市政課題2024 ::: 新ごみ処理施設
▼ 総会総括より 2024.9.8
「市民自治の市政 第2ステージ」が試される最大の課題は、新ごみ処理施設への対応だった。市民マニフェストに掲げた最大の懸案であるとともに、明石市始まって以来の巨額の公共事業である。しかも「ごみ減量」への大転換が求められている中での旧態依然のごみ処理施策に、環境派市長の真価が期待された分野でもあった。
現行のごみ処理焼却施設は当初の“20年サイクル”の更新時期が過ぎており、環境部の担当部署からは次期計画への取り組みを早くから挙げていた。だが、インフラ整備の抑制志向を強めていた泉前市政下では先送りを重ねて、現行施設の維持管理補修費用を毎年計上することでしのいでいた。SDGsの都市づくりを掲げるなら、大胆なごみ減量に取り組むことが求められていたが、そうした姿勢は全く見られないまま、事実上放置されていた。
にもかかわらず、12年の任期を終える土壇場で巨額の新処理施設の基本計画を決め、2023年度当初予算では基本設計の業務委託予算を“置き土産”として去っていった。新市長は、まずこの計画の見直しに着手しなければならなかったはずだが、就任直後の5月から6月にかけて基本設計業務委託の「入札」は予定通り行われ、6月12日には基本計画策定時のコンサルでもあったパシフィックコンサルタンツ神戸事務所に決定し、6月末には業務委託契約を自ら締結してしまった。
「ゼロ・ウェイストあかし」の合言葉は掲げたが、空疎な“言葉遊び”にとどまる
このことを問われた市長は「今後の基本設計過程で計画を圧縮、縮小させる」と主張していた。12月議会には事業者選定委員会の設置条例を提案可決し、学識者委員を選任した。この委員会はそもそも公募した事業者を選定する委員会であり、基本計画に基づいて応募した事業者の選考過程で計画の大幅圧縮をできるとすることに無理がある。今年(2024年)3月議会での説明では3炉体制から2炉体制への変更を検討していることが明らかにされた。これは災害時などの緊急事態に備えた緊急用を“自前主義”から、隣接自治体等に依存する“広域運用主義”に切り替えるだけで、現時点ではゴミ処理量を抜本的に減らすごみ減量政策に転換するものではなさそうだ。
それを裏付けるように、昨年9月23日のタウンミーティングのテーマに「ごみ減量」を取り上げたものの、抜本的なごみ減らしへの具体的な働きかけは見られず、市長自身の決意も示されなかった。他方、1月末に発表した新年度予算案の概要では「循環型社会の実現のためごみゼロ・ウェイストあかしを合言葉に、再生資源リサイクルなどごみ減量に取り組む」との目的とは裏腹に、新年度予算の施策で見たように「見せかけの施策」のオンパレードにとどまっている。
市民自治あかしは、市民マニフェストの最重要課題の一つとして「ごみ減量」施策を追求する方針から、10月1日の市民まちづくり講座で「新ごみ処理施設」を取り上げて環境部の出前講座で計画の中味に焦点を当て、今年の2月と3月にも連続して「ごみ減量」の推進を取り上げた。この中では、世界の趨勢はすでにゴミを廃棄物として「焼却」する時代から転換を始めており、日本の政策も脱炭素社会を照準においた「資源化サイクル」に動き出している中で、旧態依然の巨大焼却施設をこれから建設することの誤りを浮き彫りにした。とりわけ、家庭用燃やせるごみとして全量焼却している生ごみは、本格的な堆肥化など資源循環型のまちづくりに転換していく課題も学んだ。
市民の意識改革と協力を得ることなしに進まないことを考えると、市自らが腹を決めてその先頭に立つことが不可欠だが、指定袋の導入による減量化施策についても「市民の意向を聴く」アンケート調査にとどまっているのが現状だ。
市政課題2024 ::: 新庁舎建設計画について