第5条~ | 明石市自治基本条例

「条文」と「解説」の対照表【当会独自 】

1)前文・目的・定義
2)最高規範・自治の基本原則(第3条~)
3)市民・市議会・市役所(このページ)
4)参画・協働・情報の共有(第12条~)
5)市政運営(第25条~)
6)条例の検証と見直し(第37条~終)

第2章 自治の主体
第1節 市民
(市民の権利)第5条
【条文】
市民は、自治の主体であり、市政に参画する権利及び市政に関する情報を知る権利を有する。
【解説】
〈第1項〉第4条の自治の基本原則を踏まえて、市民が自治の主体であることを繰り返し
明らかにするとともに、市政への参画及び情報に関する市民の権利を定めています。

市民は、まちづくりのための主体的又は自主的な活動を自由に行う権利を有する。
〈第2項〉主体的・自主的にまちづくりのための活動を行うことが市民の権利であること
を定めています。市民は、まちづくりのための団体や組織を主体的につくり自主的に活動することができ、また、その団体に自由に参加することができます。

市民は、市民同士や市と協働したまちづくりのため、まちづくりに関する情報を知る権利を有する。
〈第3項〉協働のまちづくりを推進するために、市や市民、市民活動団体が保有している
まちづくりに関する情報をお互いに知ること=共有することができることを市民の権利として定めたものです。

市民は、市政に参画しないことによって不利益な取扱いを受けない。
〈第4項〉市民参画は、市民の自由な意思に基づく権利であり、強制されるべきではありません。参画しなかったことによって不利益な取扱いを受けないことを定めています。
(市民の役割)第6条
市民は、市政に関心を持ち、積極的に参画するよう努めるものとする。【解説】
〈第1項〉市民の市政への参画は、市民の自由な意思に基づく権利であり、強制されるべ
きものではありません(第5条)が、市民が自治の主体であることを踏まえ、市政に関心を持って、積極的に参画することを努力義務として盛り込んでいます。

市民は、自らの発言と行動に責任を持つとともに、まちづくりにおいて互いの意見及び行動を尊重し合うものとする。
〈第2項〉市民は、自治の主体・まちづくりの主体として、市民の市政への参画や協働の
まちづくりにおいて、自らの発言と行動に自覚と責任をもつべきであることを定めています。
また、協働のまちづくりにおいて、市民同士がお互いの言動を尊重し合いながら協力していくべきことを定めています。
(事業者等の権利及び役割)第7条
事業者等は、市政に関する情報を知る権利及びまちづくりに参加する権利を有する。【解説】〈第1項・第2項〉
本条例第2条第1号の「市民」の定義では、事業者等も市民に含んでいます。
しかし、これからの明石の自治を考えると、市内に事務所等を置いている、いないにかかわらず、あるいは営利・非営利の活動を問わず、事業者や市民活動団体、あるいはそこで働いている人たちにも積極的に明石の自治を担ってもらう必要があります。そのため、特に事業者等について、自治の担い手としての権利と役割を定めるものです。
特に、事業者等の責務として、地域社会の一員としての社会的責任に基づき、事業活動等に当たって、地域と調和し、まちづくりの推進に寄与するものとなるよう努めることを求めています。

事業者等は、市民と共に地域社会を構成するものとして、社会的責任を自覚し、地域との調和を図り、まちづくりの推進に寄与するよう努めるものとする。
第2節 市議会
(市議会の役割、責務等)第8条
市議会は、市民の目線に立って、市政の重要事項を決定するとともに、市政に対する監視及び調査を的確に行い、適正な執行を確保するものとする。【解説】市議会の役割や責務等について定めています。〈第1項〉市議会が市政の重要事項の意思決定機能及び市政(執行機関)に対する監視機
能を担うことを明らかにするとともに、その権限行使に当たっては、この条例に定める自治の基本原則に照らし、市民本位の立場から真摯に取り組むべきことを定めています。

  • 地方自治法に規定されている主な議会の権限(機能)
    第96条 議決事件
    第98条 検閲・検査及び監査の請求
    第99条 意見書の提出
    第100条第1項 調査・出頭証言及び記録の提出請求

市議会は、市民ニーズ及び地域の実情を的確に把握し、政策の立案又は提言を行うものとする。
〈第2項〉市議会は、市民ニーズと地域の実情を的確に把握し、政策の立案や提言を行う
責務を定めています。

市議会は、活動報告会の実施等により、議会活動について積極的に市民に情報発信するとともに、市民の意思を市政に反映するために、市民参加を推進し、市民に開かれた議会運営に努めなければならない。
〈第3項〉市議会についても、当然、3つの自治の基本原則(第4条)が適用されます。
そのため、 市議会として地域に出向いて市民に対し活動報告会を実施するなど、市議会の様々な活動状況を積極的に発信して情報の共有を図るとともに、市民の声をより一層把握し、市政に反映するために、市民参加を推進することが求められます。
市議会は、市民の直接選挙で選ばれた議員によって構成されていることを強く自覚し、市政や市議会について分かりやすく説明する責任を果たすとともに、市民に分かりやすく、参加しやすい開かれた市議会を目指すことを定めています。

市議会は、合議制の意思決定機関であることを認識し、意思決定を行うに当たっては、十分な議論を尽くし、議員相互の自由討議によって合意形成を図るものとする。
〈第4項〉市議会は、議会が言論の府であること及び合議制の意思決定機関であることを認識し、会派内で十分に議論を尽くした上で、会議における議員相互の自由討議によって合意形成を図ることを責務として定めています。
(市議会議員の責務)第9条
市議会議員は、市民の代表者として、市民全体の利益を優先して行動し、市民福祉の増進に寄与するとともに、自己研鑽に努め、議員としての行動規範又は道理をわきまえ、市議会の役割、責務等が果たされるよう努めなければならない。【解説】
〈第1項〉市議会議員は、市民の代表者として、自らの役割と責務を常に認識し、言動に
責任を持ち、公平・公正に職務を遂行することや、常に全体の奉仕者として、一部の利益だけではなく、市民全体の利益を優先して行動し、市民福祉の増進に寄与するよう定めています。
また、市民の意見を的確に捉え、市政に反映させていくために、自己の能力の向上に努めるとともに、議員としての行動規範や道理をわきまえ、合議制の意思決定機関の一員として、十分議論を尽くし、市議会の役割、責務等が誠実に果たされるよう努めなければならないことを定めています。

市議会議員は、市民への情報提供又は活動報告を行うとともに、市民の意見及び地域の課題を把握する等、情報収集に努めなければならない。
〈第2項〉市議会議員は、個々の議員として、様々な機会を通じて情報提供を行うとともに、市民の意見の把握や積極的な情報収集に努めなければならないことを定めています。

市議会議員は、政策立案能力の向上に努め、政策提案、市政調査等の権限を積極的に活用するものとする。
〈第3項〉市議会議員は、監視力、審査能力、情報分析能力の向上のみならず、自ら有する政策提案や市政調査等の権限を積極的に活用するため、政策形成や立案能力の向上に努めることを定めています。
第3節 市長等及び職員
(市長等の責務)第10条
市長は、市政の代表者として、市民の信託にこたえ、公正かつ誠実に、市政運営を行わなければならない。【解説】本条は、市長等(市長とその他執行機関。参照、第2条第3号)の責務について定めています。〈第1項〉第1項と第2項は、特に市長の責務を定めています。
市長は、市民(主権者)の信託を受け、また、市を代表する者として、公正かつ誠実に、市政運営を行うことが義務付けられます。

市長は、毎年度、市政の基本方針を明らかにするとともに、その達成状況を市民及び市議会に報告しなければならない。
〈第2項〉また、市長は、①毎年度、市政の基本方針を明らかにすること、②明らかにした基本方針の達成状況を市民・市議会に報告することを義務付けています。

市長等は、市民のニーズを的確に判断し、職務の執行に当たって説明責任を果たさなければならない。
〈第3項〉市長等は、職務執行に当たって、①市民ニーズを的確に判断すること、②説明責任を果たすことを義務付けています。

市長等は、それぞれ相互に連携・協力し、一体として、市政運営に当たらなければならない。
〈第4項〉市長等が相互に連携して、一体となって市政の運営に当たることを義務付けています。
(職員の責務)第11条
職員は、全体の奉仕者であり、法令を遵守し、市民に対して丁寧で分かりやすい説明に努め、公正かつ誠実に、その職務を遂行しなければならない。【解説】職員は、市長等の執行機関に属して職務に従事しているため、市長等の責務は職員の責務ともいえます。
しかし、 市民一人ひとりと向き合って職務を遂行するのは職員であることから、その基本的な責務を定めています。
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