傍聴記 議会報告会 2015.10.22

 一昨日の議会報告会とは大きく違った。担当する常任委員会によって、こんなにも違うことに驚いた。何がどう違ったか。

  • 机の配置が違った。
    • 前回はロの字型だったが、きょうは向き合うかたち。市民が10人、議員が8人。
    • 市民側が傍聴者から見て右一列、議員が左一列。傍聴者からは、どちらも側面から表情などが見える。
  • 進行方法が違った。
    • 行政担当者は同席せず、議員が発言(報告)し終わったのが開始から30分ほどで、閉会までの残り時間のほとんどを市民がマイクをもって発言した。
    • 司会役の井藤議員が促したこともあるが、市民全員が発言した。
  • 傍聴者が少なかった。
    • 前回は、傍聴者も議会事務局職員も行政担当者もいて、「大」会議室で開催されている空気感はあった。しかし、きょうは、傍聴者は5人程度。発言を許された市民は10人で、広い会場で閑散としていた。
    • さて、その「市民」とは、きょうは「民生(児童)委員」の人たちでした。
  • 終了予定時間を超えて議論をした。
    • 冗談とも本気とも取れずだが、司会の井藤議員は「議論が白熱したら晩までやってもらいたい」と、やんわりとだが檄を飛ばした。
    • 終了予定時刻は15:30。(開始は14:00) そして、実際の終了は、15:52。
    • 15:30を超えてからも、議員たちが各自発言をしていた。前回は終了予定が17:30だったはずなのに司会者は17:20と前置きし17:30には終えようという意思を感じたが、それと比べれば、熱意を感じた。
  • 委員長の発言が違った。
    • 梅田委員長は、閉会前の締めくくりとして、市民の意見を真摯に受けとめ、きょうの発言が今後どのように扱われたか、その結果を必ずお返しすると約束した。

 さて、きょうの主題は「高齢者支援の取り組みについて」だった。議員は、新潟県長岡市と群馬県高崎市で行った同趣旨の視察報告を行った。長岡市の人口27.7万人、高齢化率28.2%、高崎市の人口37.5万人、高齢化率25.85%。高齢者対策で検討したいとする課題が提案された。そのなかで「買い物支援」の具体例も出された。これは前回の生活文化常任委員会の中心テーマであり、重複するのはかまわないと思うが、市民からも意見があったりして、充実感はきょうに軍配が上がると私は感じた。
 市民の発言や意見については、日頃のしんどさをこの機会に知ってもらおうと熱心になる方、問題の根深さや民生委員の後継不足など問題の指摘を強める中ややあきらめふうな印象の方、自分たちの取り組みに対して市の対応が遅い・足りないという不満などがあった。
 こうした発言を受けて、委員長は課題と受け取ったと思われる。議員からは、民生委員が発言する高齢者の現状を「はじめて知った」という感想もあった。私のこの傍聴記でこれらの具体的なことを記すのは一面的になるので省略します。「議会報告会というかたち」の傍聴記とご理解ください。
 民生委員(個人)の働きによる見守り、関係機関と協働して行う役割、福祉計画に資する働きなど民生委員のあいだは個別ばらばらの感があり十分議論されているように思われない。個々にきょうは意見を述べたというところでしょう。議員も十分に刺激を受けたようですから、こうした議員との意見交換を機会に継続して相互に取り組むことを望みたい。そして、きょうのように「民生児童委員協議会役員」という枠組みだけで討論をするのでなく、一般の市民を交えて、こうした意見交換の機会を何度も設けていただきたい。それが、民生委員後継問題の解決に通ずることになるでしょう。

(山田 利行)


~民生児童委員協議会役員会との意見交換会~とのテーマで、「市民」全員が同協議会役員会の会長以下三役ならびに(兼)同地区会長で占められていた。
 傍聴者に配布された資料は3つで、

  • ①「次第」と、
  • ②同常任委員会による報告「明石市管内の高齢者に対する見守り関連事業について」「明石市社会福祉協議会の活動」をA4裏表1枚にしたもの
  • ③「文教厚生常任委員会視察報告ー長岡市、高崎市」

以下、感想と意見です。

  1. 視察報告(書)では、両市の取り組みなどの画像をそのまま引用したもので、肝心の視察で何を学んだか、明石市でどう生かすかの記述がない。
  2. 意見交換会では、司会者井藤委員が、会長を含む民生・児童委員に順次発言を促がし10人全員が発言した。しかし、司会者の「皆さんの活動や言いたいこと何でも言って下さい」を繰り返したが、発言のほとんどが単位自治会地域もしくは委員担当エリアのことだった。民生児童委員、地区社協の幹部が居並ぶ「議会との意見交換会」としては首を傾げたくなった。さながら小さい地域での活動報告の感がした。議員諸氏はそれを「よくやっていただいている」「勉強になった」と異口同音に強調。従来の「一人暮らし高齢者」「高齢者保健福祉」「災害時要支援者」などの市台帳登録を一元化してほしい。新たに「老老介護」「子と同居になっていでも要支援が必要となる」など情報提供の要望も出された。梅田委員長は4つの各常任委員会報告会のまとめを来年2月に出すと約束した。
  3. 今回の傍聴で、私の関心事は、民生児童委員が「非常勤の特別職の地方公務員」に該当する立場から、国・県・市の施策に対する疑問などの発言を期待した。3つある。①「明石市高齢者いきいき福祉計画及び第6期介護保険事業計画(素案)」(2015年度~2017年度)PDF について聞きたかった。
    「計画策定の目的」では──国の地域における「医療介護総合確保推進法」を受け、それを根拠として高度急性期から在宅医療・介護までの一連のサービスを地域において総合的に確保することで、適切な医療・介護サービス提供体制を実現し、住み慣れた地域で継続的な生活を可能とすることを目的として様々な取り組みを進めることとしています。──とありますが、これをどのように考えるか。②次に、同84頁で、「見守り体制の充実」の主な取り組み項目で《地域の拠点を活用した見守りの推進》があり、その説明「高齢者相互や高齢者と地域住民が交流できる場を提供する地区社会福祉協議会の運営の支援を促進し、地域全体で高齢者を支える仕組みづくりを推進します」──とあります。地区社会福祉協議会の中核は名実ともに民生児童委員です。どのような支援が望まれるか。
    ③同96頁で、「地域力の向上」の「コミュニティ施策との連携、施策の方針」では、「市のコミュニティ施策として、小学校区において……地域の課題を地域で考え取り組む協働のまちづくりをより一層進めます」とあります。民生児童委員から個々の(地域)報告はされたが、「協働のまちづくり」に、民生児童委員・地区社協としてどのように関わっていくのか。

 総じて同計画について、市民の目からは実施できる方向性が見えない、相変わらず関係部局個々の「貼り合わせ」ではないか。また、市議会議員の「報告会」データベースを明確にすべきではないか。

(松井 央)

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