骨抜きにされる「議会報告会」

▶ 議会報告会〈詳細〉

「明石市議会の改革をめざして」より抜粋 2015.11.15 市民自治あかし

 議会報告会は、議会基本条例の中で「市民への情報提供および活動報告を行うため、ならびに市民の意思および地域の課題を把握するため、市民と議員が自由に意見および情報を交換する議会報告会を行う」(第6条)と規定されています。
 明石市議会は基本条例施行前の2011年、2012年度の2回、試行的に議会報告会を開催しています。2013年度は議会基本条例の骨子をまとめて市民向けの意見交換会を実施しました。しかし、施行後の昨年(2014年度)は市民全体を対象とした議会報告会を開かず、常任委員会単位で「テーマと対象者を限定した議会報告会」を開いただけでした。開催も公表されず、非公開で開かれたこの会合は、基本条例に定めた議会報告会とは到底言えません。改選後の今年度も、前年と同じ常任委員会単位の特定団体を対象とした「議会報告会」が10、11月に開かれましたが、一般市民を対象にした本来の議会報告会の日程等は未だに公表されていません。
 今年の上記委員会単位の報告会は傍聴者を入れる形で公開されましたが、傍聴者に発言は許されず、実態は別紙の傍聴記(資料6〔省略〕)に記載されている通りです。中身は到底、「市民の意思や地域の課題を把握する」ことや「市民と議員が自由に意見交換する」には程遠いものでした。
 それぞれテーマを抱えた常任委員会が、特定のテーマを設定し、特定の団体と意見交換することはどんどん実施すればいいことです。むしろ、市民に常任委員会との意見交換の希望を公募し、精力的に意見交換の場を開催することは議会活性化のために必要なことです。
 そのことと、条例第6条に掲げた議会報告会は全く別物であり、テーマ別の会議を議会報告会に代えることは条例違反になりかねません。議会内部では、過去の2回の経験から「顔ぶれの同じ人しか来ない」などの理由を挙げて、議会報告会を敬遠する向きもあるようですが、それこそ本末転倒、議会の努力を欠いていることを証明するようなものでしかありません。
 6月の請願では「条例第4条に基づき、市民との意見交換の場を多様に設け、市民が議会活動に参加できる方策を具体化してください」と求めましたが、議会報告会はその一つであり、日常的に多様な場を創り出すことが議会基本条例でも明記されています。課題を先送りすることは、許されません。

シェアする

フォローする