旧図書館跡への対応に疑問を呈する会

 論点整理:旧図書館跡地、利活用計画の問題点 ◀ 2026.1.6


 本会は、2026年2月19日付けで下記のとおり、市議会に請願を行った。


旧図書館跡地利活用計画の疑問点解明と慎重審議を求める請願書

2026年2月19日

明石市議会
議長 国出拓志 様

請願者
旧図書館跡への対応に疑問を呈する会(請願者代表)
政策提言市民団体 市民自治あかし

請願の趣旨

 旧・明石市立図書館は52年前の1974年10月、県立図書館と一体的な文化施設として建設開館し、半世紀にわたって明石公園のシンボル的な建築物として定着してきました。
 2011 年に就任した泉市長が明石駅前の再開発ビルの核施設として新図書館の建設を打ち出し、2017年に市民図書館が開館すると同時に旧図書館は廃止され、5年間の暫定利用を経て閉鎖後は解体と跡地利用が焦点になってきました。この間、県立図書館は耐震補強と全面改装工事を行い今後も長期にわたって利用していく方針を明確にしました。
 2022年3月の施設設置許可期限後、2023年就任した現市長が同年末に「建物の解体撤去と跡地への新施設建設について協議、調整するスケジュール」等を知事に報告する文書を提出し、解体と新施設建設の計画策定が始まりました。
 これに対して翌2024年に入ってから、市民から「記念碑的な建築物でもある旧図書館は県立図書館と同じように耐震補強や改修によって活用する」ことを求める動きや要望書が提出され、市議会でも「解体ありきではなく、県立と同様に改修して同施設にふさわしい活用を検討すべきだ」という意見や提案も出されました。(2023年3月議会)
 新図書館開館の後、解体して跡地の返還を履行するという経緯はありましたが、市は約8億円にのぼるという解体費用に躊躇する中で、2022年4月には当時の市長と斎藤知事の会談の中で「更地にして返せというつもりはない。県からも活用案を提示したい」という知事発言もあり、多様な選択肢があったにもかかわらず「解体ありき」で進められたことも事実です。
 このような経緯を経て2024年当初予算に利活用計画策定費が計上され、利活用計画素案が同年6月議会に報告された後、2025年6月には基本設計等の業務委託の公募を経て契約した昭和設計の提案が先ず9月議会に報告されました。この報告では2026年度早々から解体工事に着工し、2027年度中の供用開始スケジュールが報告されています。
 この間の経緯を振り返ると、なぜ「解体ありき」で計画が進められたのか明確になっていません。市民や議会からも旧図書館を活用する提案があり、議会基本条例にも「新たに提案する施策については代替案との比較検討や財源措置、将来にわたる費用」等を明らかにしなければならない(11条)とされており、議会からも検討経過を求められたにもかかわらず市は明確にしていません。「そういうことは考えたこともなかった。検討します」(2024年3月議会)と市長が答弁したにもかかわらず、未だに明確にされていません。また、「解体費捻出のために国の補助金を得て進める」という説明についても具体的な財源措置は未だに明らかになっていません。また、昨年12月議会の質疑でも新施設建設に伴うランニングコスト、議会基本条例11条に定める「将来にわたる費用」を未だ算出想定しないまま計画を進めていることも明らかになりました。
 充当する補助金については昨年12月議会での報告で、明石駅前のペデストリアンデッキをアスピア明石まで延長する事業との抱き合わせで都市再生整備計画の明石駅周辺地区・都市構造再編集中支援事業の補助金を活用することが分かりましたが、肝心の歩行者デッキの延伸が構造上不可能になり計画の見直しに直面していることが説明されました。この歩行者デッキの延長事業は1年前の12月議会で報告されていましたが、この時点では「明石駅周辺の民間開発との調整状況」として報告されただけで、旧図書館跡地利活用計画との関連については一言の説明もありませんでした。
 この事業計画についてこのような不自然な説明は他にもあります。明石公園内に新たな施設を建設するには都市公園法や県文化財保護審議会の許可手続きが必要になると見られますが、こうした手続きは報告されないまま、工事発注作業にかかろうとしています。明石市はかつて明石公園に文化施設を造ろうと市長と知事の合意を得た後で、同審議会の反対で計画が白紙に戻った経験があります。明石公園と明石市の長い関係を紐解くと明確に記述されています。
 今回の事業計画は冒頭に述べたように現市長と斎藤知事の“合意”に乗っかって進められてきたように見えますが、計画の行方を考えるとまだ明確にされていない点が多々あります。市議会はこうした疑問点について、市民が納得できるようにチェックしていく責務があるかと思います。疑問点を解明することなく工事予算を通していくことのないように、慎重かつ厳正な審議をしてください。

請願の項目

 旧図書館跡地利活用計画について、市民の疑問を払拭できるよう以下の項目について慎重に審議、解明してください。

  1. 「解体ありき」の計画決定過程の解明と妥当性の検証
  2. 旧図書館の解体、除却、新築案に対する代替案の検討経過及びその結論に対する評価
  3. 当該計画に対する市民の意見が反映された状況についての解明
  4. 駅前歩行者デッキの延伸計画見直し後の都市構造再編集中支援事業の修正申請手続きのスケジュール及び当該申請の成否の見通し
  5. 当該申請事業費の概算額及び明石市の負担額(市債発行額及び一般財源支出額)
  6. 地域交流センターの年間運営経費及び維持補修費等の概算額
  7. 地域交流センターの設置及び運営によって得られる行政効果
  8. 都市公園法や文化財保護審議会の許可手続きと成否の見通しについて

以上

添付資料 旧明石市立図書館をめぐる動き


2024.5.14 旧明石市立図書館の保存と活用に関する提案(政策提言市民団体 市民自治あかし)pdf
パブリックコメント意見書:旧市立図書館利活用計画(素案)について 2024.8.12(松本誠)

▶ 市民自治あかし・ニュースレターでたどる旧図書館跡地問題
090号 2024.3.24 明石公園内の旧市立図書館の保存と活用策を探る
093号 2024.6.23 明石公園内の旧市立図書館 利活用計画の素案は示されたが……
101号 2025.5.08 旧・明石市立図書館跡の再整備「解体ありき」でいいのか?(下段⬇参照)
105号 2025.8.01 旧市立図書館跡地「地域交流センター」で設計発注
21号 2017.8.26 旧図書館跡と生涯学習センター分室の行方


▶ 旧・明石市立図書館の行方 奇怪な展開を再検証

 県立明石公園のシンボルの一つとして、緑豊かな公園環境に溶け込んできたレンガタイル造りの文化施設。兵庫県立図書館と明石市立図書館はそろって昨年(2024年)10月、開館50周年を迎えた。いや正確に言えば、開館50周年を迎えるはずだった。
 県立図書館は大規模な耐震補強と改修を終えて開館半世紀を祝ったが、市立図書館は2017年1月に明石駅前の再開発ビルに移転したあと暫定利用期間を経て2020年3月から“空き家”として放置されてきた。同じ時期に一体的にデザインし設計されて開館した図書館が、なぜ対照的な運命に置かれているのか? そして今、明石市は旧図書館を解体し、更地にしたうえで「新しい施設」を建設しようとする計画を進めている。
 こうした展開になった理由は、短期的にはここ数年の明石市と兵庫県の一時的な“確執”から生じたものだが、もう少し長い目で見ると明石市政の文化行政、とりわけ図書館行政への立ち遅れと場当たり的対応が連綿と続いてきたことにある。その体質は、由緒ある建築物へのこだわりも配慮もなく、いま「解体ありき」の対応を続ける市政の体質に引き継がれているのではないか。
 いま明石市が進めている「旧図書館の解体、利活用計画」が、いかに誤った道筋に踏み込んでいるかを、こうした経過と背景、市政の体質から再検証し、いま一度「解体ありき」を見直し原点に立ち戻ることを提言したい。いま市が進めようとしている計画には、市議会からの大きな異論の声が繰り返し挙がっており、市の計画には“無理筋”を押し通そうとして計画変更や補助金の壁に直面している状況が垣間見える。明石市の「文化行政百年の計」を誤りない方向に導くためにも、近い将来表面化する財政窮迫の要因をつくることを避けるためにも、市行政と議会、市民が今一度この計画を見直すことを求めたい。
続きあり。こちら……

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